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March 14, 2020

コロナウイルスの恐怖と戦う社会学

コロナウイルスについて、社会学者として「人々は何を心配すべきか」「どうしたらこのたいへんな状況でもベストの選択ができるか」を考えてみました。人間、合理的に考えられないのでウイルスの恐怖で納豆がなくなったりするんですが、ちょっとそのへんの社会のワサワサはどうなんだろう、そっちの方も影響が大きいんじゃないかと思って。感染対策は医学の専門家に任せるとして、社会的なワサワサ対策としては社会科学者も言うべきことがあるような気がしてきました。というわけで、めずらしく時事ネタに専門家として反応します。

 

1.予言の自己成就の仕組みを知って落ち着いて行動しよう

社会科学をやっている人はだいたいご存じのとおり、「トイレットペーパーがなくなる」とみんなが思って買いに走ると、じっさいになくなります。少し落ち着いて行動した方が結果的にはハッピー。

 

2.目立つ恐怖と目立たない恐怖をバランスよく心配しよう

ウイルスはたしかに怖いんですが、よろしくない生活習慣や貧困や環境汚染による命のリスクも大きいです。ところが後者はジワジワ効いてくるし、効果がドラマチックではないので怖いはずなのに多くの人の意識にのぼりません。これまた少し落ち着いて、ウイルス以外の恐怖とバランスよく?警戒していった方がいいのではないかと。

かくいう自分もウイルスが怖くてこもり気味で運動不足になりかけて、いやこれは別の意味で体に悪いよねと思った次第です。子どもが公園で遊んで通報されたりしてますが、感染が確認されているわけでもなければ「あー自分の健康を守ってえらいね!」と落ち着いてほめてあげるべきことです。

今、ニューヨークでは地下鉄で感染することを恐れた人たちがたくさん自転車通勤に切り替えてますが、ニューヨークで自転車は車道を走らないといけないので慣れていないと事故に巻き込まれる危険が高まるでしょう。でもそっちの恐怖はウイルスで頭いっぱいになっているとあまり意識されない。

 

3.報道のメディアイベント性に踊らされないようにしよう

メディアイベントとは、メディアに注目を集めることを目的として行われる活動をさします。別にそれ自体は悪くないんだけど、メディアのコンテンツは注目を集めることがその動機にあるので、それを割り引かないでコンテンツを真にうけることはいろいろな問題につながります。たとえば「トイレットペーパーが品薄になってます!」「みんなが食品の買いだめに走っています」みたいなメディアの報道をそのまま受け取って行動に移すと、予言の自己成就スイッチが入っちゃうんですよね。

またどんなメディアに接触しているかによっても恐怖の度合は違います。こういう時期は意識して、多様な情報源に触れるのがプラスです。ふだんtwitterメインでニュースをみているなら、ここは落ち着いて渋く日本経済新聞を買ってみるとかね。

 

4.情報は複数の情報源で確認して、デマに踊らされないようにしよう

トイレットペーパーの不足という誤情報はソーシャルメディアで広まりました。潜在的なこわさがあると、この手の情報に乗っかってしまいやすいですが、こういう時期は正確な情報が大事なので、気になる情報があっても複数の情報源で確認してから動くことがだいじです。あと、情報源の質のみきわめも大事です。「だれが」発信している情報か、確認してから反応することが必要です。

 

5.他人より自分の行動がカギ!お化粧する人はしておこう(衛生に気をつけた上でね)

残念なことにアジア系に対するヘイトクライムとか、感染した人に対するいやがらせが報告されています。でも「人と距離をとる」とか「顔に触らない」とか、自分の行動が身を守ることにつながるので、そっちに力を注いだ方がよいです。ウイルスは見えないから、それに近いと思われる存在を攻撃したくなっちゃうのかな。

顔に触るのはほんとうによくないらしいので、こまめな手洗いと、顔に触らないっていうのを今自分では徹底してやってます。メークしていると、顔に触らなくなるらしく。そういう理由で、最近は人に会うことはあまりないにもかかわらずばっちり塗っておくことにしてます。

 

ウイルスは怖いですが、それと同じくらい人々の行動が多くの人を傷つけたり、生活を難しくすることにつながりかねないので、行動に関する注意もだいじだと思います。

 

 

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